COLUMN

一級建築士が教えるリノベ向きマンションのチェックポイント

 

中古マンションを購入してリノベーションしたいあなたに、リノベーション向きのマンションの探し方を教えます。

 

不動産会社に行って「リノベーションしやすいマンションを紹介してください」と言っても、不動産会社の営業マンは不動産取引のプロではありますが、建築に関するプロではありませんので、細かいことは答えられません!

 

リフォーム・リノベーションの専門家である一級建築士の視点で、リノベーション向きマンションの探し方をご紹介します!

概略だけまとめましたので、是非お付き合いください!

マンションの構造をチェック!

鉄筋コンクリート構造【ラーメン構造】はリノベ向き

 

鉄筋コンクリート造は、RC構造とも言います。RC=Rainforced concrete、ラーメン構造と壁式構造に分かれます。

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↑このように、柱・梁で構成されるのが、「ラーメン構造」といいます。ラーメン屋さんのラーメンと発音が全く同じですが、ドイツ語で額縁という意味のようです。

柱や梁で構成されているため、室内にコンクリート製の壁が無いケースがほとんどで、間取りの自由度が高いです。

ただし、稀に「耐震壁」が室内にある場合もあるので、建築士は図面を見て判断をします。図面が無い場合は叩いてみて硬い場合は耐震壁と判断をします。

マンションは基本的に鉄筋コンクリート造(RC造)でできていますが、中でもこの「ラーメン構造」がほとんどで、90%以上はこの工法です。非常にベーシックな工法な上に、リノベーションしやすいというメリットがあります。

鉄筋コンクリート構造【壁式構造】はリノベ不向き!

鉄筋コンクリート造で、ラーメン構造の次に多いのが壁式構造です。マンション全体の中で5%くらいでしょうか。

ラーメン構造と違って、壁で構成される構造です。メリットとしては部屋の隅に柱の形が出ないことや、梁が無いため天井がすっきりしていることが挙げられます。

しかし、大きなデメリットとして、例えばリビングと寝室の間の壁などがコンクリートでできていて、その壁は撤去できない等、間取りに不満があっても、リノベーションで解決できない可能性があります。

比較的築年数の古いマンションに多く、中でも5階建てまでの低層マンションにみられる工法です。

かの有名な「ペアシティルネサンス高輪」は高級ヴィンテージマンションですが、一部の間取りはこの壁式構造でした。

「ヴィンテージマンション」=「リノベして住む」というイメージがあると思いますが、間取り変更ができるかどうかは、構造によって決まりますので、しっかりとご検討を!

 

鉄骨鉄筋コンクリート構造 これもリノベ向き!

鉄筋コンクリートの中にさらに鉄骨を入れ込んだ工法です。

高層タワーマンションなどに多く採用されています。鉄筋コンクリート造のラーメン構造と同様、間取りの自由度は高いと考えて良いでしょう。

 

床の構造をチェック!

システム床(置床) はリノベ向き!

コンクリートのスラブ(床)の上に、さらに2重に床を組み立てているパターンです。

給排水管や電気配線が床下を通せるため、比較的リノベーションしやすい工法といえます。

 

直床(じかゆか) は、場合によるけどリノベ不向き

コンクリートの床に直接フローリングを貼ってあったり、カーペットを貼ってある工法です。

システム床と比べると、リノベーション時に間取りの制約が出やすいです。

ただし、直床からシステム床に変更することも可能です。

 

水回りを動かせるかチェック!【配管ピット編】

配管ピットとは

配管ピットとは、浴室や洗面所回りで採用されることが多いのですが、配管のスペースとして床を一部切り下げているような箇所のことです。

 

配管ピットの範囲内ならほぼ自由に動かせる

床ピットの範囲内であれば、自由に浴室や洗面化粧台の位置を動かせるケースが多くあります。

 

「そんなの見ても分からないよ~」という声が聞こえてきそうですね^^

わからなくても大丈夫です。

建築の専門家が図面を見れば、一発でわかりますし、現地を見ればだいたい想定ができます。

このあたりも、不動産取引のプロである不動産屋さんは、建築のプロではありませんので、具体的にどの範囲が配管ピットなのか聞いても、残念ながらわからないと思います。

こればかりは建築のプロに聞くのが一番です。まずは、このような床の構造があるということだけでも覚えておいてください。

 

 

水回りを動かせるかチェック!【PS編】

PSとは

パイプスペースについての説明

よく図面を見ていると、「PS」と書いてある部分を見かけませんか?

PSとはパイプスペースの意味です。これはマンションの上下階を結ぶ縦配管が通っている場所です。

 

室内にPSがあると邪魔

縦配管は他の住戸と共有していますので改変ができません。位置を変えることもできないため、間取りに制限が出ます。

一概には言えない部分がありますが、部屋の中心にPSがあるマンションよりも、外周部にPSがあるマンションの方が、間取りを変更する際に困らないケースが多いです。

注意しないと、「リビングの真ん中にPSが。。。」 なんてことになりかねません!

 

既存の間取りをチェック!

2面採光より3面採光が有利

非常に一般的な話ですが、窓がある面はなるべく多い方がリノベーションに向いています。

もともとの間取りを見たときに、窓がどのくらい多くあるのか、を見てください。

いわゆる角部屋ということですね。

リノベーションでは、同じマンションでもいくつもの間取りを検討できます。窓面が多い方が個室の配置やリビングの配置のバリュエーションが豊かになり、自由な発想で検討ができます。

 

 

究極のリノベ向きマンションとは

スケルトンインフィル住宅(SI工法住宅)

あまり聞きなれない言葉かと思いますが、スケルトンインフィル工法という工法があります。

これは、構造(スケルトン)と内装(インフィル)をしっかりと分離して計画されていうマンションのことです。

PSが室外に計画されていて共用管が将来的に交換出来たり、通常10cm程度の床下を50cmほど確保して計画されているため配管のスペースが十分に広く、水回りの位置変更がしやすかったりします。

ちなみに、スケルトン(構造)だけの状態で売り渡されて、インフィル(間取りや設備機器)を所有者が造るというのが本来のスケルトンインフィルの考え方です。

しかし、法的な面や金銭的なデメリットの多さにより、ほとんど実現していないのが実情です。

現状世の中に存在するスケルトンインフィル住宅は、「分譲時は間取りが決まっているけど、将来リフォームするときは自由度が高いですよ」というものがほとんどです。

当社の近くでは、Dグランセ浦和高砂や、北戸田ファーストゲートタワーなどが、スケルトンインフィル工法で建てられたマンションです。

 

スケルトンインフィルのデメリット

・騒音問題

間取りの自由度が高くなると、上下の階と間取りが全く違う状況も発生します。

寝室の真上に浴室が配置されてしまうこともあり、上下階の騒音トラブルになりかねませんので注意が必要です。

遮音性をあらかじめ高めるなどの対策が不可欠ですね。

 

個人的に思うこと

さて、ここまでいかがでしたでしょうか。

一級建築士の立場から、技術的な面に特化した「リノベ向きマンションの選び方」をご紹介しました。

実際のところ、不動産業者の営業マンは、なかなか技術的なことまで答えられないことが多いです。

これは一般的な不動産業者のことを悪く言いたいのではなく、不動産業者はあくまでも不動産取引のプロだということです。

(もちろん中には詳しい方や、建築士の資格を持った方もいます。)

 

逆に、リフォーム会社や工務店の営業マンは、建築のプロではあっても取引に関してはすっかり素人だったりします。

 

建築業界と不動産業界は、すぐ近くにいるお隣さんなのに、お互いが歩み寄らないため大きな溝があるのです。

私はこの状態は良い事だと思いません。

もっとそれぞれの分野に横断して知識を持つ人が増えれば、リノベーションへの理解がもっともっと進むのではないかと思います。

 

 

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